最近自分の人生について考える事が増えて来た。

過去、現在、未来

過ごしてきた時間、今過ごしている時間、そして残された時間。

やってきた事、やりたい事、やれる事。。

そう考えると急に不安や焦りなどに駆られたりもする。

だけど、

もしもこんな自分にも未来を豊にする何かを残せるのだとしたら、

そう考えると

今度は胸の中のワクワクノ助が腰をフリフリ揺らしながら踊りを踊りだすので

最近はそのような事をちょこちょこ考えて一人でニヤニヤしているのですが、

音楽は勿論だけど 豊かな森 を残したいと思うのです。

というのも、

ここ数年、日本中を音楽とサーフィンをしながら旅をさせて頂いた中で
感じた事は手付かずの自然の景色が圧倒的に少ない事でした。

どんなに人里離れた海でサーフィンをしていてもテトラポットや防波堤、時には
原発だって視野に入ってくるし

東西南北どこまで行っても植林されつくされた山々の姿。
(勿論そうじゃない所もありますが。)

豊かな森推進部としては
そういった人工的に植えられた無期質な針葉樹の森が多く目に付くのでした。

真っ直ぐ伸びる針葉樹は人間にとって加工しやすくて便利な木なのですが
木の実など、野生動物が食べられる部分が無いことから
現在日本の森には古くからいた野生動物が次々といなくなっています。

(その逆に地表7パーセントを覆っているに過ぎない手付かずの熱帯林には、地
球上の種の少なくとも50%が
生育しているそうです。 地球の治し方 参照)

これを何とかして命の溢れる豊かな森に戻したい。
という昔から持っていた思いにここ最近よく光が当たるのです。

持ち曲の 森の唄 もこういう思いから出来た曲なのですが
各地でこの曲を唄わせて貰っていると、演奏後、ありがたいことに林業家の方が
「自分達も森を育てる仕事をしてるよ。」  と声をかけて頂ける事が度々ある
のですが
あの針葉樹の森の事が気になり、どこか警戒してしまっている自分もいました。

それってどういうことだろう?
だって原生林の森を人口的な森にしてきたのは日本の林業じゃないのかな?
ということは世間知らずの僕が軽く口に出来るはずもなく、
いつも話に踏み込めないまま自分の中にシコリが残っていたので
そういったことも少しでも知れたらなと思い
先日旅の途中に、以前自分のliveでもお世話になった富士のフミさんの所に遊び
に行ってきました。

フミさんは富士の山々に囲まれた緑豊な地でナチュラルアクションというアウト
ドアツアー会社を運営している傍ら
代々続く林業もされており、豊かな自然を大切に思う意識の高い林業家でもあり
ます。

有難いことに今回は、そのフミさんが休日にも関わらず自身の受け持つ林業の現
場を案内、木を切る体験までさせてくれました。

お店に着くなりスタッフさんが温かく出迎えてくれ、ウッドテラスのテーブル席
に案内してくれました。

そこでこの場所を懐かしんだり自然を眺めたりしていると
しばらくたってワーゲンのキャンピングカーに乗ってフミさんが現れ
僕らは再開の挨拶を交わし近況報告などをした後、
フミさんが車からチェーンソーを取り出し刃を一つ一つ丁寧に研ぎ始めました。

僕は隣に腰かけてその作業を覗き込みながら
フミさんに問いかけてみました。

「このまま行くと100年後、あの針葉樹の森たちはどうなっているんすかね?」

すると
「あの森達は光が地面まで入らないから木々も土も痩せ細り各地で土砂崩れが起
きるだろうね。
そしてそれから又元の森に戻って行くんじゃないかな。
それでいいという人もいるけど、そうじゃなくちゃんと間伐をすれば木々も成長
し土壌に光も入り
山は元の山に甦る事も出来るよ。」
(確かこんな感じの会話だったと思う。)

なるほど。

今の日本の森は、戦後 国策によって一斉に植林が進み
当時需要の大きかった杉やヒノキなど針葉樹の木々が植えられたそうです。

それから時代も変わり石油の普及などにより材木の需要が減り日本の林業は衰退し、
国策により国民の血税で植えられたその木々達は残されたまま時が流れ、
現在大きくなり森に所狭しと立ち並んでいます。

光の届かない土壌は痩せ細り、無残にも各地で土砂崩れや、水脈の衰え、
山だけじゃなく川や海の生物の激減などの大きな要因となっています。

そのような話も聞かせてくれました。

そして庭に干してあったラフティング用のヘルメットと
先ほど研いだチェーンソーを借りワーゲンに乗り込み作業現場の森へと案内して
くれました。

水を張った田んぼの道、右側シートの助手席、
パワーウィンドウは壊れているのでその隣にあるあまり見ないタイプの小窓を手
動で開けると
山間を吹き抜ける風が一気に車内に流れ込んできた。

実に気持ちがいい!!!

さらに重機などを横目にどんどん山に入っていく。
アスファルトなどない土と石が転がる出来たばかりの道をぐいぐいとそのワーゲ
ンで登って行く。
可愛いくて機能的だけじゃなくタフな車だ。so nice!

そうこうしているうちに現場に付き
車を降りチェーンソーに油を入れ、ヘルメットをかぶり、道具を持っていざ!

チェーンソーを肩に担ぐワイルドな後姿の文さん の後ろに付き登山。
道などない急な斜面を、重たいチェンソー担いで登山。

そして現場の先端に着いた。足場は急なまま。

まずはフミさんがお手本に2,3本木を切るところを見せてくれました。

斜面にへばり付きながら倒す方向を見定めて木にチェーンソーで切り口を入れて
いく。

3方向から切口を入れ、後ろの切り口にクサビを入れ
小さい斧の刃先じゃない背の方でそのクサビを打ち込む。

木がゆっくり傾く 打ち込む! 打ち込む!

倒れ始める 打ち込む!

倒れる 倒れる 急いで逃げる!!

バタン!!!!

下敷きになったら、、、足を踏み外したら、、、チェーンソーが跳ね返って来た
ら、、、

様々な危険が余裕しゃくしゃくの顔してお茶でもすすっているかの様にすぐそこ
にある。

「じゃあウコカはこの木を切ってみようか。」

「はい。」

人生初の一本目。

まずは人生初のチェーンソーのエンジンを掛ける事から。

スターターを引っ張るがこれがなかなか難しい。

勢いよく引っ張るのがコツだけど

足場も悪く、踏ん張りが効かない おまけに重いし危険。

なのでぎこちない動きになってしまい なかなかかエンジンが掛からない。

結局フミさんに手伝って貰いながらなんとか始動。

気を取り直して木の幹に切り口を入れていく。

切りながらまたもエンスト。。。

慣れないチェーンソーに手古摺り、汗だくになりながらなとか一本倒すことが出
来た。

そしたら倒れた木の枝を落とし、一本の木を4メーターくらい(?)の長さに切
断していく。

足場はずっと悪い。チェーンソーで切断するたびに丸太は斜面を転がり落ちる。

そんな中丸太の下敷きにならないように注意しながらこの一連の作業を繰り返し
て行く。

集中力、注意力、体力、気力をフルに稼働させながらなんとか5本位木を切らせ
て頂きました。

もうへっとへとのけちょんけちょんだ。

そして森の中で仕事の後の給水タイム。

エキサイティングな重労働の後のこれはたまらん!!

振り返ると木を切った辺りの森は光が射して明るくなっていました。

風通しも良くなったような気が。。

少しだけど間伐が出来た!

木々の隙間から吹き抜ける風が肌をなでる。

とにかく最高にハードだけど最高に気持ちのいい体験でした。

作業を終えて、車に乗り込み、間伐の終わった所や皆伐して元の森に甦っている
森などを案内してくれながらお店に戻りました。

そしてお店に戻ると今度はフミさんが「好きなんでスミマセン。」なんて言いな
がらCDを流し始めると、
お店にあるサウンドシステムから僕のライブアルバム「STAND」の“森の唄”が大
音量で聴こえてきました。

さっきの体験や様々な想いが甦って来る。

一曲まるまる聞き終えて

僕は 「(今の状況に)合いますねぇ。」 というとフミさんもニコリ。

林業家の方々がこの曲に反応してくれた気持ちがよく分かったような気がした。

あの作業を体験してみると

チェーンソーなんて無かった時代から昔の人は森に入り、
決して真っすぐではない木を切り倒し、切断し、そしてその木々を山から担いで
運び出しながら森を切り開き、
植林をしてあの針葉樹の森達は出来上がった。

正に命がけの仕事だ。

そう思ったらあの針葉樹の森達もありがたく思えて来ました。

と、同時に昔の人の体は一体どうなっていたのか?という疑問も。。

ただ絶滅に追いやられた動植物の事や失われた莫大な原生林の事、土砂崩れなど
の自然災害の事を思うと
やり過ぎだという思いに変わりはないですが。

その日はくたくただったけど
ずっと胸の奥で眠っていた夢がより具体的に前進した事に興奮してか
なかなか寝付けませんでした。

100年後には豊かな森が沢山ある世の中でありますように。